【根管治療】左下の奥歯の根管充填とMTAセメントにてパーフォレーションリペア

2022.06.03

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は左下の奥歯の樋状根の根管充填とパーフォレーションリペアについてです。

前回のブログです→【根管治療】左下の奥歯の樋状根の治療について(根管治療編)

前回までに左下の第二大臼歯の銀歯、メタルコア(金属の土台)を除去しました。

その後、むし歯(虫歯)を除去し根管治療を行いました。

今回も手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して、根の中に最後のお薬を入れる根管充填と歯に穴が空いているパーフォレーションのリペアを行いたいと思います。
 

根管治療を行う前にラバーダム防湿というゴムのマスクを歯に装着します。

その後に根管治療を行っていきます。

この歯は樋状根といって、アルファベットのCの字のような複雑な根管形態をしています。

症状もなく根管内からも出血などはありませんでした。
 

根管内は暗いため、手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の光源を上げて根管内を確認します。

黄色い点線で囲んである部位は、パーフォレーションといって歯に穴があいて歯肉が見えています。

今回は根管充填とともにパーフォレーション部位にMTAセメントという材料で封鎖します。
 

こちらが根管充填後の画像です。

根管充填は主に側方加圧充填法と垂直加圧充填法の2つ代表的な方法があります。

今回は樋状根でCの字のような複雑な根管形態のため、根管内にガッタパーチャ(根管充填材)が上手く封鎖できるように垂直加圧充填法を選択しました。

根管の長さや形態などによって根管充填法を選択したいます。

Cの字の部分にはガッタパーチャが充填されました。

黄色い点線で囲んである部位には、MTAセメントを使用してパーフォレーション部位を封鎖しました。
 

左が根管充填前です。

今回は根管充填とパーフォレーションリペアについてです。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用することで、暗く狭い根管内を正確に確認することができます。

肉眼では限界があると思われます。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史