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【歯を残す・トライセクション(歯根分割抜去法)】左上の奥歯にものが挟まり口臭が気になる方の治療
2025.04.14
こんにちは。
東京都立川市にある歯医者の「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。
今回は左上の奥歯にものが挟まり口臭が気になる方の治療についてです。
患者さんは今まで他の歯科医院から治療すると抜歯になるため、このまま様子を見た方が良いと言われたそうです。
この歯はものが挟まり、口臭も気になるため流石に治療しないといけないと思いセカンドオピニオンで来院されました。
歯もぐらぐら動くとのことです。
当歯科医院のセカンドオピニオン→セカンドオピニオン
まずは手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して確認します。
左上6番目も第一大臼歯の頬側部が欠けています。
おそらく、簡単ではありますが金属の被せ物の下がむし歯になる→プラスチックで一部治療→さらにむし歯になり欠けて穴になる→ものが挟まり、口臭がする 以上の流れと思われます。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の倍率を拡大します。
オレンジ色に見えるものは、ガッタパーチャという根管充填材です。
この歯の頬側の歯根部がむし歯が進行して、通常は見ることのない根管口が見えています。
健康な歯質もなく、歯肉の下までむし歯が進行しています。
この状態だと抜歯の診断をしないといけません。
患者さんは抜歯や抜歯後のインプラント治療は今は希望されていません。
何とか歯を残して欲しいと希望されています。
今回はトライセクション(歯根分割抜去法)を提案しました。
トライセクション(歯根分割抜去法)は、むし歯や歯周病、破折など状態の悪い歯根を抜去します。
今回はここまでむし歯が進行していることや頬側の2根を抜去するため予後などよくないことなどよく説明し同意を得て次回から治療となりました。
初めて来られる方のセカンドオピニオンや精密検査の日に治療を行うことは通常ありません。
痛みなどの場合は応急処置は行います。
治療は資料をもとに計画を立てて時間や器具、材料を準備します。
まずは、金属の被せ物を除去します。
歯が変色しています。
歯質も溶かされグジャグジャです。
頬側根だけでなく、口蓋根も保存が出来ないのではないかと思うぐらいむし歯が進行しています。
むし歯を徹底的に除去します。
口蓋根は保存が出来そうと判断しました。
頬側根はやはり抜去になります。
むし歯が進行していて歯に穴が開き歯肉が見えています。
口蓋根は保存予定のため根管治療を行います。
この状態だと根管治療ができないため、隔壁を作成します。
隔壁を作成しラバーダム防湿を行い、根管治療を行います。
根管治療が終了しファイバーコアを入れました。
今回の内容はトライセクションがメインなので今回治療については割愛します。
口蓋根の根管治療とファイバーコアが終わったので、次はトライセクションになります。
口蓋根と繋がっている部分をセパレートします。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用するため、キッチリセパレートできているかも確認できます。
無事にトライセクションが終わりました。
歯周組織が失われ、欠損部が大きいです。
歯肉が陥没する可能性が高いです。
術前に予想できたためコラーゲンを説明し同意を得て入れています。
1週間後です。
痛みや違和感はなかったそうです。
抜根した穴は予想より小さく1週間ごとしては良好です。
状態も良いため仮歯を作成します。
仮歯の状態で歯肉が落ち着くまで待ちます。
仮歯の状態で主訴であるものが挟まること、口臭、歯の動揺、咬めることができるかなど確認します。
問題なければ、補綴(被せ物)治療に入ります。
今回はここまでです。
すべての方、すべての歯が保存できる訳ではありません。
保険適応外の材料などを使用した治療は自由診療となります。
■費用
来院回数:3回
費用:セカンドオピニオン22,000円
根管治療+トライセクション+ファイバーコア201,300円
リスク・副作用:腫脹、疼痛、歯肉の違和感、歯根破折など
すべての歯が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用し、海外で評価されている材料を使用することで少しでも根管治療の予後を良くし患者さんの歯を長く使ってもらえるように今後とも精進してまいります。
今後ともよろしくお願いします。
井上貴史
東京都立川市にある歯医者の「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。
今回は左上の奥歯にものが挟まり口臭が気になる方の治療についてです。
患者さんは今まで他の歯科医院から治療すると抜歯になるため、このまま様子を見た方が良いと言われたそうです。
この歯はものが挟まり、口臭も気になるため流石に治療しないといけないと思いセカンドオピニオンで来院されました。
歯もぐらぐら動くとのことです。
当歯科医院のセカンドオピニオン→セカンドオピニオン
■左上第一大臼歯のセカンドオピニオン
まずは手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して確認します。
左上6番目も第一大臼歯の頬側部が欠けています。
おそらく、簡単ではありますが金属の被せ物の下がむし歯になる→プラスチックで一部治療→さらにむし歯になり欠けて穴になる→ものが挟まり、口臭がする 以上の流れと思われます。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の倍率を拡大します。
オレンジ色に見えるものは、ガッタパーチャという根管充填材です。
この歯の頬側の歯根部がむし歯が進行して、通常は見ることのない根管口が見えています。
健康な歯質もなく、歯肉の下までむし歯が進行しています。
この状態だと抜歯の診断をしないといけません。
患者さんは抜歯や抜歯後のインプラント治療は今は希望されていません。
何とか歯を残して欲しいと希望されています。
今回はトライセクション(歯根分割抜去法)を提案しました。
トライセクション(歯根分割抜去法)は、むし歯や歯周病、破折など状態の悪い歯根を抜去します。
今回はここまでむし歯が進行していることや頬側の2根を抜去するため予後などよくないことなどよく説明し同意を得て次回から治療となりました。
初めて来られる方のセカンドオピニオンや精密検査の日に治療を行うことは通常ありません。
痛みなどの場合は応急処置は行います。
治療は資料をもとに計画を立てて時間や器具、材料を準備します。
■実際の治療
まずは、金属の被せ物を除去します。
歯が変色しています。
歯質も溶かされグジャグジャです。
頬側根だけでなく、口蓋根も保存が出来ないのではないかと思うぐらいむし歯が進行しています。
むし歯を徹底的に除去します。
口蓋根は保存が出来そうと判断しました。
頬側根はやはり抜去になります。
むし歯が進行していて歯に穴が開き歯肉が見えています。
口蓋根は保存予定のため根管治療を行います。
この状態だと根管治療ができないため、隔壁を作成します。
隔壁を作成しラバーダム防湿を行い、根管治療を行います。
根管治療が終了しファイバーコアを入れました。
今回の内容はトライセクションがメインなので今回治療については割愛します。
■トライセクション
口蓋根の根管治療とファイバーコアが終わったので、次はトライセクションになります。
口蓋根と繋がっている部分をセパレートします。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用するため、キッチリセパレートできているかも確認できます。
無事にトライセクションが終わりました。
歯周組織が失われ、欠損部が大きいです。
歯肉が陥没する可能性が高いです。
術前に予想できたためコラーゲンを説明し同意を得て入れています。
1週間後です。
痛みや違和感はなかったそうです。
抜根した穴は予想より小さく1週間ごとしては良好です。
状態も良いため仮歯を作成します。
■術前との比較
仮歯の状態で歯肉が落ち着くまで待ちます。
仮歯の状態で主訴であるものが挟まること、口臭、歯の動揺、咬めることができるかなど確認します。
問題なければ、補綴(被せ物)治療に入ります。
今回はここまでです。
すべての方、すべての歯が保存できる訳ではありません。
保険適応外の材料などを使用した治療は自由診療となります。
■費用
来院回数:3回 費用:セカンドオピニオン22,000円
根管治療+トライセクション+ファイバーコア201,300円
リスク・副作用:腫脹、疼痛、歯肉の違和感、歯根破折など
すべての歯が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用し、海外で評価されている材料を使用することで少しでも根管治療の予後を良くし患者さんの歯を長く使ってもらえるように今後とも精進してまいります。
今後ともよろしくお願いします。
井上貴史
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