【根管治療・パーフォレーション】右下の歯肉が腫れて抜歯と言われた歯のパーフォレーションリペアを行ったケース

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は左下の奥歯の歯肉が腫れ、他歯科院で状態が悪いため抜歯が必要と言われた方の治療についてです。

患者さんは20代の女性です。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して根管治療を希望されています。

なるべく歯を抜きたくないとのことです。

セカンドオピニオンにて来院されました。

当歯科医院のセカンドオピニオンについて→セカンドオピニオン

まずは時間をかけて患者さんの話をよく聞きます。

その後に手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して口腔内を確認します。
 

右下の前から6番目の第一大臼歯の頬側の分岐部歯肉が大きく腫れています。

他にもこの歯について診査や検査を行っていきます。

歯周ポケットは分岐部は6mm以上のポケットが認められました。

当歯科医院はカールツァイスメディテック社のEXTARO 300の手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用しています。

レンズもライトも非常に優れておりとてもクリアに患者さんにお見せすることができます。

3次元的に画像が確認ができるCT撮影もさせてもらいました。

CT画像から分岐部にパーフォレーションという穴が空いている可能性が高いと思われます。

患者さんには現状を説明し治療方法や期間、費用などをお話ししました。

患者さんは当歯科医院で治療を希望されました。

セカンドオピニオンの際は治療は行いません。

後日、予約時間を確保し準備をきっちり行い治療を始めます。
 

■実際の治療


ここから治療になります。

まずは、古い修復物を除去していきます。

コンポジットレジンという合成樹脂の歯科用プラスチックを除去します。

歯の色と似ているため肉眼だと区別が難しいです。
 

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用することで、歯質なのかレジンなのか確認できます。

もちろん、むし歯(虫歯)も除去していきます。

除去後は歯質が少ないために隔壁という補強を行い、根管治療には重要なラバーダム防湿を行います。

こちらがラバーダム防湿を行なった状態です。
 

よく見てみると、赤く出血しているところが認められます。

術前のCT画像で予想していたようにパーフォレーションといって歯に穴が空いています。
 

根管内にある根管充填材のガッタパーチャを除去すると、パーフォレーション部がクリアに見えてきました。

分岐部の髄床底に歯肉が見えるくらいのパーフォレーションがあります。

口腔内は狭くて暗いです。

特に根管治療は肉眼だと根管を見ることは非常に難しいです。

この日は他の根管もキレイにして終わりました。

後日の歯肉の状態です。
 

約1週間後になります。

術前の腫れや排膿は改善されました。

患者さんの症状はありません。

打診など特に気になる所見もないためにパーフォレーションリペアと根管充填を行いました。

パーフォレーションリペアは生体親和性などよいMTAセメントで行いました。
 

■術前との比較


術前は分岐部に腫れや排膿が認められました。
 

患者さんも抜歯しなくてすみそうで喜んでもらえてよかったです。

今回はここまでです。

MTAセメントを使用した治療は自由診療になります。

続いての歯周病治療の内容です→【歯周組織再生療法治療・歯内ー歯周病変】右下の歯肉が腫れて抜歯と言われた歯の歯周組織再生療法を行ったケース

■費用

根管治療回数:2回(約1ヶ月)
費用:コア除去22,000円

   根管治療132,000円
   パーフォレーションリペア33,000円

リスク・副作用:腫脹、疼痛、歯肉の違和感など
すべての歯が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史
 
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