【歯肉退縮・歯根露出】マイクロスコープを使用して右下前歯の歯肉退縮の治療

2024.09.13

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回はマイクロスコープを使用して右下前歯の歯肉退縮の治療について書きたいと思います。

患者さんは年々下の前歯の歯肉が下がり歯根が見えてきて気になっていたそうです。

通院している歯科医院では治療は難しいとのことでした。

まずはお話をよく聞かせて頂き、手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して口腔内を確認します。
 

右下切歯の歯肉退縮が認められます。

頬側の歯根面は楔状欠損といい歯の根本の部分がすり減っています。

おそらく異常な力がかかっていると思われます。

歯並びも歯列から頬側に位置しています。

今回の歯は、歯肉だけの問題ではないと思われます。

歯肉退縮の診査では、両隣接歯歯肉の状態や露出している面積、歯根の位置などが重要になります。

今回のケースは歯根の位置や露出面積などで完全に歯根を被覆することは難しいと判断しました。

その為、術前によく説明を行います。

患者さんの希望する歯肉退縮の改善が難しい場合もあります。

咬み合わせや矯正治療、もちろん歯肉退縮の治療なども含めた総合的な治療が必要となります。

術前にこの歯に対する治療のメリット、デメリット、治療期間や費用などをよく説明し同意を得て治療になりました。

今回は両隣接歯を含め3本の歯肉移植を行います。

患者さんは、今回は歯肉退縮の治療のみを選択されました。

当歯科医院の歯周病、歯肉退縮の治療です→マイクロスコープを使用した歯周病、歯肉退縮の治療

歯肉退縮の治療は、口蓋歯肉の上皮下結合組織を採取して治療部位に移植していきます。

術中の画像は出血などがあるため割愛させて頂きます。

いきなりですが、術後になります。

 

続いて術前です。
 

上の画像は術前です。

歯肉の状態がわかりやすいと思い白黒にしています。
 

こちらはカラーでの術前、術後の比較になります。

完全には根面被覆は達成は難しいですが、術前に比べ歯肉の色もよく厚みが出ています。

歯根部も術前に比べると被覆ができていると思われます。

これからメインテナンスにて経過観察をしていきたいと思います。

歯肉退縮の手術も手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用します。

今回のようにエムドゲインを使用した歯肉移植は自由診療になります。

治療期間・回数:約1ヶ月、3回
費用(自由診療になります。):194,800円(材料代込み)3本分
リスク・副作用:出血、腫脹、疼痛、歯肉の違和感、歯肉退縮、しみる症状など
※歯肉退縮の進行状態、歯の本数によって費用が異なります。
個人差や生体反応もあるため、すべての方が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

今回は以上になります。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した歯肉退縮、歯周病治療や根管治療などご希望の方はご連絡お待ちしています。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史
 
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