【根管治療・歯髄温存療法】左下の歯の深いむし歯で歯の神経を温存する治療(歯髄温存療法:Vital Pulp Therapy+セラミック治療)

2024.05.14

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は左下の歯の深いむし歯で歯の神経を温存する治療(歯髄温存療法:Vital Pulp Therapy+セラミック治療)について書きたいと思います。

患者さんはむし歯(虫歯)が深く歯の神経は残したいということで来院されました。

左下6番目の第一大臼歯に修復されています。
 

診査をしたところ生活反応がありました。

左下7番は失活歯です。

患者さんは左下6番のみの治療を希望されています。

歯髄(歯の神経)を残す治療の歯髄温存療法:Vital Pulp Therapy(VPT)を行える可能性が高いことを患者さんによく説明し同意を得た。

歯髄温存療法:Vital Pulp Therapy(VPT)について→【根管治療・レーザー治療】右下の歯の深いむし歯の治療(歯髄温存療法:Vital Pulp Therapy編)

VPTは患者さんの自覚症状が強い場合は適応ではなく、通常の根管治療で歯髄をすべて除去しないといけません。

実際にVPTができるかは治療を行なってみないとわかりません。

初回の来院時は資料を取り患者さんの話を聞いて説明します。

治療を希望される場合は後日準備を整えて治療を開始します。

もちろん症状などがある場合は応急対応などは行います。
 

■歯髄温存療法:Vital Pulp Therapy(VPT)



後日に治療を行います。

まずは、再度歯髄が生活反応がありVPTが適応か診査を行います。

自覚症状がなく、生活反応があることなど確認しました。

治療を進めていきます。

古い修復物を除去していきます。
 

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して古い修復物を除去していくとむし歯(虫歯)が確認できました。

むし歯を除去後に隔壁という補強をします。

歯髄に近い部分のむし歯はこの時は除去しません。

ラバーダム防湿をしてMTAセメントなど準備ができてから行います。
 

こちらが隔壁を作成しラバーダム防湿を行いむし歯を徹底的に除去した状態です。

赤く見えるのが歯髄です。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用するとキレイな赤色が確認でき止血もできています。

VPTが行えると判断しました。
 

MTAセメントを充填しています。
 

その後、仮蓋を行いこの日は終了です。

後日、診査を行いセラミック治療を行います。

■セラミック治療

後日、診査をしたとこを生活反応が確認できました。

エナメル質が多くセラミック治療を選択しました。
 

セラミックを入れました。

今回はここまでです。

すべての方、すべての歯が適応ではありません。

MTAセメントやセラミックを使用して治療は自由診療となります。

歯髄温存療法(VPT)+セラミック治療回数:3回(約1ヶ月半)
費用:歯髄温存療法(VPT)33,000円
   セラミックアンレー治療88,000円
リスク・副作用:術後の症状が強い場合は歯髄を保存することが難しいこと、歯肉の違和感など
すべての歯が適応ではありません。

詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

なるべく歯髄を保存できるように精進していきます。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史