【歯を残す・歯周病治療】手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して歯周ポケット10mmの歯周病治療
2024.05.22
こんにちは。
東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。
今回は手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して歯周ポケット10mmの歯周病治療です。
患者さんは60代後半の女性です。
歯肉の腫れと違和感があり歯周病治療を希望され来院。
歯磨きも頑張り、定期的には歯科医院でクリーニングを受診していたそうです。
今回は左上の歯の歯周病治療について書きたいと思います。
初診時はカウンセリングと検査を行います。
急性症状などの場合以外は当日にいきなり治療は行わない事が多いです。
歯周ポケットを計測すると一番深い部分で10mmありました。
歯周病の論文では約4mm以上の場合は従来の汚れの除去の仕方だと、汚れを除去することは難しいとあります。
X-P写真で確認します。
白い点線が以前に骨があったと思われる位置、黄色い点線は現在の骨があると思われる位置です。
水平的に歯周組織が吸収していると思われます。
今回の内容はこの歯周ポケット10mmの部分(緑色の点線)です。
4mm以上で汚れを除去することが難しい論文があり、今回はその倍以上です。
歯周病のステージ分類ではステージ4と診断しました。
患者さんには歯周病が重度に進行していること、歯周ポケットが10mmの治療は非常に難しく良くなく可能性が低いこと、今回行う治療についてや歯周病についてよく説明し理解してもらい同意の上行うことになりました。
当歯科医院の歯周病治療→マイクロスコープを応用した歯周外科処置
患者さんは全体的によく歯磨きをできていると思われます。
しかし、左上の一番奥歯(第二大臼歯)の遠心面(前歯から一番遠い面)を触ると白いバイオフィルム(デンタルプラーク、歯垢)が認められます。
この部分はなかなか歯磨きが難しい部分です。
歯肉退縮(歯肉が下がること)を起こしているため、歯根が露出しています。
歯冠部に比べ歯根部は形態が凹んでいたり、表面がザラザラしていて汚れがつきやすいです。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して歯根表面を確認していきます。
緑色の部分に歯石と歯石の上に白いバイオフィルムが付着しています。
歯周ポケット10mmの原因はこの汚れが歯根表面に付着している事だと思われます。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用しなければ、深い歯周ポケットの歯根表面を観察することは非常に難しいです。
歯根を傷つけないように慎重に除去していきます。
歯石を除去するとさらに細かい歯石や汚れが確認できます(緑色で囲っている部分)。
黄色い点線は歯根の形態です。
真っ直ぐな形態ではなく、凹んでいます。
凹んでいる部分に汚れがついています。
器具の届きにくい部位や観察するのも難しい部位です。
当たり前ですが、除去するのはとても難しいです。
しかし、感染源を除去しない限り、感染症である歯周病は改善しないと思います。
患者さんが良くなるために何とか綺麗にしていきます。
こちらが除去できた状態です。
歯根面の色もキレイになったと思います。
よかったです。
汚れを除去後にエムドゲインをキレイになった歯根表面に塗布して終了です。
後は良くなることを祈り経過観察を行なっていきます。
術前と術後の比較です。
左が術前です。
深い歯周ポケットの歯根表面の汚れの除去はとても難しいです。
しかし、感染源の除去が上手くできなければ改善しません。
今回はここまでです。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用する技術や汚れを除去する技術などを教えてもらわなければ、歯周ポケット10mmの歯周病治療は非常に困難だと思われます。
エムドゲインを使用した歯周病治療は自由診療になります。
治療期間・回数:1回
費用(自由診療になります。):106,800円(エムドゲイン材料代込み)
リスク・副作用:出血、腫脹、疼痛、歯肉の違和感、歯肉退縮、しみる症状など
※歯周病の進行状態、歯の本数によって費用が異なります。
個人差や生体反応もあるため、すべての方が適応ではありません。
予後を保証するものではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。
今回は以上になります。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した歯肉退縮、歯周病治療や根管治療などご希望の方はご連絡お待ちしています。
今後とも患者さんの歯を残せる様に精進していきます。
今後ともよろしくお願いします。
井上貴史
東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。
今回は手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して歯周ポケット10mmの歯周病治療です。
患者さんは60代後半の女性です。
歯肉の腫れと違和感があり歯周病治療を希望され来院。
歯磨きも頑張り、定期的には歯科医院でクリーニングを受診していたそうです。
今回は左上の歯の歯周病治療について書きたいと思います。
初診時はカウンセリングと検査を行います。
急性症状などの場合以外は当日にいきなり治療は行わない事が多いです。
歯周ポケットを計測すると一番深い部分で10mmありました。
歯周病の論文では約4mm以上の場合は従来の汚れの除去の仕方だと、汚れを除去することは難しいとあります。
X-P写真で確認します。
白い点線が以前に骨があったと思われる位置、黄色い点線は現在の骨があると思われる位置です。
水平的に歯周組織が吸収していると思われます。
今回の内容はこの歯周ポケット10mmの部分(緑色の点線)です。
4mm以上で汚れを除去することが難しい論文があり、今回はその倍以上です。
歯周病のステージ分類ではステージ4と診断しました。
患者さんには歯周病が重度に進行していること、歯周ポケットが10mmの治療は非常に難しく良くなく可能性が低いこと、今回行う治療についてや歯周病についてよく説明し理解してもらい同意の上行うことになりました。
当歯科医院の歯周病治療→マイクロスコープを応用した歯周外科処置
■実際の歯周病の治療
患者さんは全体的によく歯磨きをできていると思われます。
しかし、左上の一番奥歯(第二大臼歯)の遠心面(前歯から一番遠い面)を触ると白いバイオフィルム(デンタルプラーク、歯垢)が認められます。
この部分はなかなか歯磨きが難しい部分です。
歯肉退縮(歯肉が下がること)を起こしているため、歯根が露出しています。
歯冠部に比べ歯根部は形態が凹んでいたり、表面がザラザラしていて汚れがつきやすいです。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して歯根表面を確認していきます。
緑色の部分に歯石と歯石の上に白いバイオフィルムが付着しています。
歯周ポケット10mmの原因はこの汚れが歯根表面に付着している事だと思われます。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用しなければ、深い歯周ポケットの歯根表面を観察することは非常に難しいです。
歯根を傷つけないように慎重に除去していきます。
歯石を除去するとさらに細かい歯石や汚れが確認できます(緑色で囲っている部分)。
黄色い点線は歯根の形態です。
真っ直ぐな形態ではなく、凹んでいます。
凹んでいる部分に汚れがついています。
器具の届きにくい部位や観察するのも難しい部位です。
当たり前ですが、除去するのはとても難しいです。
しかし、感染源を除去しない限り、感染症である歯周病は改善しないと思います。
患者さんが良くなるために何とか綺麗にしていきます。
こちらが除去できた状態です。
歯根面の色もキレイになったと思います。
よかったです。
汚れを除去後にエムドゲインをキレイになった歯根表面に塗布して終了です。
後は良くなることを祈り経過観察を行なっていきます。
術前と術後の比較です。
左が術前です。
深い歯周ポケットの歯根表面の汚れの除去はとても難しいです。
しかし、感染源の除去が上手くできなければ改善しません。
今回はここまでです。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用する技術や汚れを除去する技術などを教えてもらわなければ、歯周ポケット10mmの歯周病治療は非常に困難だと思われます。
エムドゲインを使用した歯周病治療は自由診療になります。
治療期間・回数:1回
費用(自由診療になります。):106,800円(エムドゲイン材料代込み)
リスク・副作用:出血、腫脹、疼痛、歯肉の違和感、歯肉退縮、しみる症状など
※歯周病の進行状態、歯の本数によって費用が異なります。
個人差や生体反応もあるため、すべての方が適応ではありません。
予後を保証するものではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。
今回は以上になります。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した歯肉退縮、歯周病治療や根管治療などご希望の方はご連絡お待ちしています。
今後とも患者さんの歯を残せる様に精進していきます。
今後ともよろしくお願いします。
井上貴史
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