【歯を残す・エクストリュージョン】自覚症状はなく手術用顕微鏡(マイクロスコープ)で見つかった深いむし歯の治療(エクストリュージョン編)

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は自覚症状はなく手術用顕微鏡(マイクロスコープ)で見つかった深いむし歯の治療(エクストリュージョン編)についての内容です。

前回のブログです→【根管治療・レーザー治療】自覚症状はなく手術用顕微鏡(マイクロスコープ)で見つかった深いむし歯の治療(根管治療+パーフォレーション編)

前回は根管治療、パーフォレーションリペアをMTAセメントで行った内容でした。

今回は左下の第一大臼歯のエクストリュージョンについてです。

早速ですが、隔壁などをすべて除去した状態です。
 

むし歯(虫歯)が進行して歯肉の下まで健全な歯質がありません。

この状態だと被せ物を入れることができません。

抜歯と診断しないといけません。

歯を残すためにエクストリュージョンを行います。

エクストリュージョンとは→【歯を残す・エクストリュージョン】抜歯と言われた歯をマイクロスコープ使用して保存治療

患者さんには根管治療を行う前にエクストリュージョンの必要性も説明しています。

前後の歯に矯正用のワイヤーを装着して動かしたい歯にフックを装着してゴムで引っ張ります。
 


咬合面からの画像です。


 


頬側からの画像です。

次回は3週間後に確認します。

エクストリュージョンを行うと歯肉などの歯周組織も上がってきます。

歯肉を整える処置を行います。

エクストリュージョン開始と術後です。
 

右が術後です。

歯質が歯肉より上に出てきました。

この状態なら被せ物ができそうです。
 

こちらはエクストリュージョンの装置をつける前の状態と術後の比較です。

次回はワイヤーなどの装置を除去します。

今回はここまでです。

すべての方にできる治療ではありません。

担当の歯科医師にご相談頂ければと思います。

治療回数:4回(約1ヶ月半)
費用:エクストリュージョン:55,000円
   歯冠長延長術:16,500円
リスク・副作用:腫脹、疼痛、歯肉の違和感、歯質が少ないことにより歯根破折など
すべての歯が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

なるべく歯を保存できるよに精進していきます。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史