【歯周病治療・歯石除去】手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して歯周ポケット9mmの歯周病治療

2024.04.15

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して歯周ポケット9mmの歯周病治療です。

患者さんは60代の女性です。

全体的に歯肉の違和感や歯の動揺、口臭が気になるそうです。

歯科医院に定期的にクリーニングをされています。

歯磨きも頑張っています。

歯周病が進行して改善されず調べて当歯科医院に来院されました。

全顎的に歯周病が進行しています。

歯周病の分類はステージ4,グレードCと診断しました。

歯周病になった歯の汚れを除去するのが難しいことは、この論文に歯周ポケットが3.73mm以上あると根っこに付着した汚れ(バイオフィルム)を完全に除去することが難しいと報告されています(Stambaugh RV, DragooM, Smith DM, Carasali L:The limits of subgingival scaling.1981)。

つまり歯周ポケットが約4mm以上になると汚れを完全に除去することは非常に困難ということです。

​​​​​​​歯周病を改善することは難しいです。

当歯科医院の歯周病治療についてです→マイクロスコープを使用した歯周病治療


患者さんはこれ以上歯を失いたくない、歯を残す治療を希望されています。

しかし、歯周ポケットが9mmは保存することが非常に難しいです。

通常だと抜歯の可能性がかなり高い歯です。

患者さんの強い希望もありよく説明し同意を得て治療を進めることになりました。
 


今回は左上の第一大臼歯についてです。
 

■手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して歯石除去


左上の第一大臼歯の遠心部が歯周ポケット9mmありました。

歯磨きもよくされています。

歯科医院にも定期的に行かれクリーニングもされています。

一見問題ない歯肉の様に見えます。

 


歯と歯肉の間を確認していきます。
 

非常に治療が難しい部位です。

歯肉を圧排すると歯石やバイオフィルムが確認できます。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の倍率を拡大して歯根表面を観察します。
 

非常に深い部分に歯石やバイオフィルムが付着しています。

この感染物や毒素などを除去しない歯周病の改善は難しいです。
 

歯根表面を傷をつけないように慎重に感染物や毒素を除去しまして。
 

術前が左です。

なんとか上手く除去できました。

歯磨きを上手く行なっても、通常のクリーニングではここまで進行した深い歯周ポケットの感染物の除去は非常に難しいです。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)や専用の器具、技術がなければ進行した歯周病の改善は非常に難しいです。

1週間後の確認では違和感や口臭などがよくなったと喜ばれていました。

よかったです。

治療期間・回数:1回
費用(自由診療になります。):106,800円(エムドゲイン材料代込み)
リスク・副作用:出血、腫脹、疼痛、歯肉の違和感、歯肉退縮、しみる症状など
※歯周病の進行状態、歯の本数によって費用が異なります。
個人差や生体反応もあるため、すべての方が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

今回は以上になります。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した歯肉退縮、歯周病治療や根管治療などご希望の方はご連絡お待ちしています。

今後とも患者さんの歯を残せる様に精進していきます。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史