【根管治療】左下の奥歯の樋状根の治療について(画像診査編)

2022.05.27

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した左下の奥歯の樋状根の治療を行う前の診査についてです。

患者さんは左下の歯肉の違和感が続くことが気になるそうです。

まずは、口腔内を確認していきます。
 

左下の一番奥の第二大臼歯の銀歯が原因の歯だと思われます。

歯を叩くと打診痛があり、根尖部歯肉を触診すると圧痛もありました。

デンタルX-P写真を撮影しました。
歯根と歯根の分岐部に嫌な写り方(黄色い点線)をしています。

よく見ると根の先にも病巣らしき透過像も見られます。

患者さんは必要な検査はなるべくして欲しいと希望されています。

今回は治療を行う前に、歯科用CTを撮影しました。
 

歯科用CTは3次元的にいろんな角度から歯を確認できます。

黄色い矢印は分岐部の透過像です。

分岐部にパーフォレーションといわれる穴が空いているかもしれません。

青色の矢印は根尖病巣(根の先の病気)が疑われます。

歯科用CTを撮影すると、2次元のX-P写真ではわかりにくい部分も確認できる可能性が高いです。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の高照明、高倍率での情報量と同じように術前に得られる情報は多いほうがよいです。

患者さんには歯に穴が空いている可能性や根尖病巣の説明のよくさせて頂き根管治療を行うことになりました。

今回はここまでです。

次回から実際に銀歯などを除去しむし歯(虫歯)を取り除き、根管治療をしていきます。

根管治療編のブログです→【根管治療】左下の奥歯の樋状根の治療について(根管治療編)

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史