手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した根管治療(根っこの治療)をする前の画像診断

2022.02.08

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した根管治療(根っこの治療)をする前の画像診断について書きたいと思います。

患者さんは右上の前歯の歯肉が腫れることを主訴に来院されました。

症状が強いときは顔も腫れることがあるそうです。

◼︎手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して口腔内を確認

右上の前歯を診査していきます。

打診といって歯を叩いてみます。

右上切歯は他の歯とは異なり反応が強かったです。
 

歯肉を触る触診をします。

特に根尖部圧痛といって歯の根っこの周辺部に違和感がありました。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の倍率を上げていきます。
 

よく観察すると歯肉の色が異なる部分があります。
 

歯科用の器具を使用して歯肉を触ってみます。

歯肉から排膿していました。

◼︎X-P検査

治療が必要な歯が特定できましたので、次はX-P写真を撮影します。
 

矢印のある部分が根の尖端です。

よく見れば病巣のような黒い影が見える程度で、この画像だけでは判断が難しいです。

患者さんは症状を訴えていたため、さらに精密な画像検査を行いました。

患者さんによく説明し同意を得て、3次元的に確認できる歯科用CTを撮影することになりました。
 

歯科用CTは、いろんな角度から病巣を確認できます。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)もそうですが、情報量が非常に多いです。

診断に役に立ちます。

通常のX-P写真では診断が難しい場合は、患者さんに必要性をよく説明し歯科用CTを撮影する場合があります。

歯の根っこを取り囲むように黒い病巣の影(矢印)が確認できます。

患者さんの訴え、口腔内診査、X-P診査などの資料をもとに総合的に根管治療が必要か判断していきます。

患者さんも腫れの原因がわかって安心してもらいました。

治療の前の診査診断はとても重要です。

今回はここまでです。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用しての口腔内診査や精密検査は自費となります。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史