【根管治療・メタルコア除去】上顎前歯のメタルコア除去について

2024.03.05

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した上顎前歯のメタルコア除去についてです。

患者さんは前歯の被せ物の色が気になりやりかえたいと治療を希望されています。
 

症状などはありませんでした。

X-P写真撮影をすると以前に根管治療がされており、長く大きなメタルコア(金属の心棒)が入ってありました。

患者さんに除去するリスクなどを説明し同意を得て治療になりました。

口腔内は暗くて狭いため根管治療やメタルコアの除去(長いもの)は、見えないので時間がかかることもあり不必要な歯質を削除したりすることもあります。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用することで、安心安全にメタルコア除去や根管治療が行える可能性が高いです。

実際の治療になります。
 

まずは、前歯の色が気になっている被せ物を除去します。

被せ物の下にはメタルコアが入っていました。

メタルコアを除去していきます。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用するとメタルの粉が飛んでいることがよくわかります。

口腔内に溜まらないようによく洗浄しながら治療を進めます。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用してもメタルコアの入っている方向も意識しながら進めていきます。

方向を間違えるとパーフォレーションといって歯に穴を開けてしまいます。
 

途中でメタルコアが一部根管内に残ってしまっても、どの部分にメタルコアが残っているか確認できます。

オレンジ色に見えているのは以前の根管充填材です。

その周りにあるシルバー色の金属がメタルコアです。
 

無事にメタルコアが除去できました。

歯質も薄くゴムのマスクのラバーダム防湿もできないため隔壁を作り歯を補強しました。

この画像は隔壁を作りラバーダム防湿を行なったものです。

ブルー色がラバーダムのゴムです。

根管内にあるガッタバーチャがよく観察できます。

この状態にして根管治療を始めていきます。
 

根管治療用の器具を使用して根管内を清掃していきます。

この歯は2回で根管充填と新しい土台を入れました。

今回はここまでです。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用することで安心安全に治療が進められ、治療の質や治療時間の短縮にもつながると思います。

この後はセラミッククラウンの治療になります。

根管治療回数:2回(約1ヶ月)
費用:メタルコア除去22,000円
   根管治療88,000円
リスク・副作用:腫脹、疼痛、歯肉の違和感など
すべての歯が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史