【根管治療・根尖病変】右上の前歯の根本の歯肉が大きく腫れ、抜歯と言われた方の手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した根管治療

2024.07.09

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は右上の前歯の根本の歯肉が大きく腫れ、抜歯と言われた方の手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した根管治療の内容を書きたいと思います。

患者さんは30代の女性です。

数年まえに右上の前歯の根管治療を受けたそうです。

右上の前歯の根本の歯肉が大きく腫れひどい時には口蓋部歯肉も腫れ多そうです。

他の歯科医師からも根尖病変が大きく外科処置もしくは治療を行っても保存は難しいと言われたそうです。

当歯科医院を調べてセカンドオピニオンを希望され来院されました。

口腔内を確認します。
 

右上の1番2番が大きく腫れています。

特に2番の腫れが大きいと思われます。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の倍率を上げていきます。
 

やはり、2番の根尖が発赤、腫脹が顕著に確認できます。

CT撮影など術前の検査を行い資料が整った後に、患者さんに現状や治療方法(非外科的歯内療法、外科的歯内療法など)、費用、期間などお話しします。

当日はセカンドオピニオンでの予約のためお話のみで終わります。

症状などが強い場合は、投薬など応急対応を致します。

当歯科医院で治療を希望の場合は予約を取ってもらいます。

この方はセカンドオピニオンの来院時に次回手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した根管治療の予約を取られました。
 

■実際の根管治療(歯内療法)


まずは被せ物を除去します。

その後、おそらく白いファイバーコアという芯棒を除去します。
 


このファイバーコアやレジンの芯棒が白いため歯質と色が似ています。

口の中は暗くて狭いため、おそらく肉眼やルーペでは暗くてよく見えない可能性があります。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用するメリットは、高証明、高拡大だと思います。
 

無事にファイバーコアが除去できオレンジ色のガッタパーチャが見えてきました。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)がなければ、ファイバーコアか歯質か見分けがつかず健康な歯質も大きく削ってしまったり、方向を間違えるとパーフォレーションといって歯に穴が開いてしまうかもしれません。

そのくらい、口の中は暗くて狭いため見て治療することが難しいと思います。

歯冠部(歯の頭)がないためラバーダム防湿ができないため、隔壁という補強を行いました。
 

こちらが隔壁を作りラバーダム防湿をして根管治療をしています。

まずはガッタパーチャを除去しています。

根管が1つということもありこの日に根管充填まで行いました。

 

こちらは約1ヶ月後です。
 

左が術前です。

歯肉の腫れが改善されました。

もちろん症状も改善されました。

根尖病変が大きいため今後外科処置になるかも経過を観察します。

これからも歯をなるべく残せるように精進していきます。

セカンドオピニオン:1回
根管治療回数:1回
ファイバーコア:1回
費用:セカンドオピニオン(CT撮影含む)11,000円
         コア除去22,000円
   根管治療88,000円
   ファイバーコア22,000円
リスク・副作用:腫脹、疼痛、歯肉の違和感など
すべての歯が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史
 
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