【歯を残す・ヘミセクション(歯根分割抜去法)】左下の奥歯の歯肉が腫れてた
2024.02.26
こんにちは。
東京都立川市にある歯医者の「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。
今回は左下の奥歯の歯肉が腫れたということで来院された方についてです。
根管治療や歯をなるべく抜かない治療はないかと来院されました。
患者さんは痛みはないが腫れた状態と違和感が続くそうです。
左下前から7番目の第二大臼歯の頬側歯肉が赤く腫れています。
歯と歯肉の間の歯周ポケットも6mm以上確認し、歯周ポケットから出血や排膿も認めました。
打診痛やX-P検査などの診査を行いました。
奥歯の大臼歯は大きい歯根が2つあることが多いです。
前歯に近い近心根と前歯から遠い遠心根の2つです。
今回は前歯に近い近心根の状態が良くないと思われます。
腫れている部分にポケットが深いことやデンタルX-P写真で歯根破折を疑う所見が認められたことから、左下第二大臼歯の近心根の歯根破折の可能性が高いと思われます。
歯根破折をしているため細菌が集まり発赤や腫脹があったと思われます。
歯根破折をしてしまうと歯を保存することは非常に難しいです。
近心根は難しくても、遠心根は残せる可能性が高いと判断しました。
今回は近心根を抜根して遠心根を保存するヘミセクション(歯根分割抜去法)という治療を提案しました。
2つある歯根を分割して一方を抜去するため、残した歯根もいずれクラック(ひび)や歯根破折を起こす可能性が高いことのどメリット、デメリットなどもよく説明しました。
患者さんに手術用顕微鏡(マイクロスコープ)画像やアニメーションを使用して現状や治療法などをよく説明し同意を得て治療を行いました。
患者さんはなるべく歯を残したいと希望されヘミセクション(歯根分割抜去法)を行うことになりました。
実際の治療になります。
出血などが多い部分の画像は白黒にしています。
麻酔をして被せ物を除去しました。
白い土台が入っていました。
歯はむし歯(虫歯)に感染して茶色く変色しています。
やはり近心根が破折しています。
どこまで破折しているかも確認しないといけないため、白い土台もすべて除去していきます。
白い土台やむし歯(虫歯)を除去しました。
近心根は頬舌方向に破折していました。
幸いにも遠心根は破折していないと判断し予定通り近心根を抜去することにしました。
近心根を抜去しました。
不良肉芽という感染した歯肉や古い根管充填材のガッタパーチャも除去します。
ガッタパーチャが黒く汚れがついていました。
よく洗浄し縫合し出血の確認をしてこの日は終了となりました。
遠心根は根管治療を行い土台を入れました。
術前の腫れなどは改善され歯肉の治癒も良好です。
歯肉の状態や残した遠心根が問題ないか経過観察を行い問題なければ補綴(被せ物)治療になります。
今回はここまでです。
すべての方がこの治療ができるわけではありません。
歯の状態によっては抜歯をしないといけないこともあります。
なるべく歯を残せるように精進していきます。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)での治療などご興味があります方はご連絡お待ちしています。
今後ともよろしくお願いします。
井上貴史
東京都立川市にある歯医者の「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。
今回は左下の奥歯の歯肉が腫れたということで来院された方についてです。
根管治療や歯をなるべく抜かない治療はないかと来院されました。
■口腔内診査
患者さんは痛みはないが腫れた状態と違和感が続くそうです。
左下前から7番目の第二大臼歯の頬側歯肉が赤く腫れています。
歯と歯肉の間の歯周ポケットも6mm以上確認し、歯周ポケットから出血や排膿も認めました。
打診痛やX-P検査などの診査を行いました。
奥歯の大臼歯は大きい歯根が2つあることが多いです。
前歯に近い近心根と前歯から遠い遠心根の2つです。
今回は前歯に近い近心根の状態が良くないと思われます。
腫れている部分にポケットが深いことやデンタルX-P写真で歯根破折を疑う所見が認められたことから、左下第二大臼歯の近心根の歯根破折の可能性が高いと思われます。
歯根破折をしているため細菌が集まり発赤や腫脹があったと思われます。
歯根破折をしてしまうと歯を保存することは非常に難しいです。
近心根は難しくても、遠心根は残せる可能性が高いと判断しました。
今回は近心根を抜根して遠心根を保存するヘミセクション(歯根分割抜去法)という治療を提案しました。
2つある歯根を分割して一方を抜去するため、残した歯根もいずれクラック(ひび)や歯根破折を起こす可能性が高いことのどメリット、デメリットなどもよく説明しました。
患者さんに手術用顕微鏡(マイクロスコープ)画像やアニメーションを使用して現状や治療法などをよく説明し同意を得て治療を行いました。
患者さんはなるべく歯を残したいと希望されヘミセクション(歯根分割抜去法)を行うことになりました。
■ヘミセクション(歯根分割抜去法)
実際の治療になります。
出血などが多い部分の画像は白黒にしています。
麻酔をして被せ物を除去しました。
白い土台が入っていました。
歯はむし歯(虫歯)に感染して茶色く変色しています。
やはり近心根が破折しています。
どこまで破折しているかも確認しないといけないため、白い土台もすべて除去していきます。
白い土台やむし歯(虫歯)を除去しました。
近心根は頬舌方向に破折していました。
幸いにも遠心根は破折していないと判断し予定通り近心根を抜去することにしました。
近心根を抜去しました。
不良肉芽という感染した歯肉や古い根管充填材のガッタパーチャも除去します。
ガッタパーチャが黒く汚れがついていました。
よく洗浄し縫合し出血の確認をしてこの日は終了となりました。
遠心根は根管治療を行い土台を入れました。
術前の腫れなどは改善され歯肉の治癒も良好です。
歯肉の状態や残した遠心根が問題ないか経過観察を行い問題なければ補綴(被せ物)治療になります。
今回はここまでです。
すべての方がこの治療ができるわけではありません。
歯の状態によっては抜歯をしないといけないこともあります。
なるべく歯を残せるように精進していきます。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)での治療などご興味があります方はご連絡お待ちしています。
今後ともよろしくお願いします。
井上貴史
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