【根管治療・根尖病変】左上の銀歯の歯肉が腫れた方のコア(土台)除去

2024.02.17

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は左上の銀歯の歯肉が腫れた方のコア(土台)除去について書きたいと思います。

患者さんは患者さんは当歯科医院で手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して根管治療を希望されています。

最近は特に患者さんが根管治療はマイクロスコープを使って欲しいとご希望される方が多いと印象です。

よく調べて来られる方のいらっしゃいます。

 

■手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用しての診査、診断



まずは、原因の歯の診査、診断です。

患者さんは強うい痛みはないが、違和感と腫れた感じがするとのことでした。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して確認していきます。
 

左上の第一大臼歯の頬側の歯根部に腫れが認められます。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の倍率を拡大していきます。
 


おそらく、前歯に近い近心根が腫れの原因ではないかと思われます。

デンタルX-P写真撮影などの必要性を説明し同意を得ました。

画像検査からも近心根の根の先の病巣が確認されました。

近心根の根尖部分に最終的なお薬が少ないように思われます。

他にも検査をさせて頂き総合的に判断して、根管治療が必要なことを説明し同意を得ました。

 

■左上の第一大臼歯の根管治療


根管治療を始めていきます。

患者さんは今までも根管治療やむし歯の治療などを経験されています。

なるべく痛みがないように治療をして欲しいこともあり、術前に麻酔をさせてもらいました。

 

まずは、金属の被せ物を除去しました。

術前のX-P画像では金属のコア(土台)が入っていることが予想されました。

金属の土台の周りに白い土台が入っているイメージです。
 

白い土台を除去していくと、金属が見えてきました。

根管治療専用の超音波チップを使用して振動で除去していきます。
 

こちらが除去した金属です。

あまり見ない形の金属の土台でした。

無事に除去できてよかったです。

これで土台の除去が終わりではありません。

なぜなら、白い土台が根管口(根管の入口)まで入っています。
 


歯の色と土台の材料の色が似ているため、注意して除去しないと健全な歯を削ることになります。

歯を削りすぎて穴を開けたら大変です。

肉眼だと暗い根管内の土台を確認することはとても難しいです。

その点手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用できると、歯なのか白い土台なのか確認して除去することができます。
 


土台やむし歯などの汚れを徹底的に除去した後はラバーダム防湿を行い根管治療がスタートします。

オレンジ色のお薬はガッタパーチャという根の中に入れる最後のお薬です。

以前に治療されたガッタパーチャが汚れているため除去を行いました。

原因と思われる近心根のガッタパーチャも除去して、根尖部までアプローチができました。

今回はここまでです。

これからも歯をなるべく残せるように精進していきます。

根管治療回数:2回(約1ヶ月)
費用:メタルコア除去22,000円
   根管治療132,000円
リスク・副作用:腫脹、疼痛、歯肉の違和感など
すべての歯が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史