【根管治療・根尖病変】前歯の歯肉が6ヶ月腫れを繰り返した方のメタルコア(土台)除去+根管治療

2024.06.11

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は前歯の歯肉が6ヶ月腫れを繰り返した方のメタルコア(土台)除去+根管治療について書きたいと思います。

患者さんは半年の間前歯の歯肉の腫れ、違和感を繰り返したそうです。

患者さんご自身で腫れては潰して膿を出していたそうです。

歯科医院に受診すると抜歯の可能性が高くインプラント治療を薦めてもらったそうです。

なるべく歯を抜きたくないということで、手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して根管治療をしている当歯科医院を受診されました。

口腔内を確認します。
 


右上切歯の頬側歯肉が腫れています。

原因歯を確認するために診査やX-P検査を行います。

その後、手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して動画で現状や治療方針などを説明します。

患者さんは治療を受けたいということで治療を進めることになりました。

初回は診査診断を行い、後日時間など準備をしてから治療になります。

症状が強い場合は応急対応を行うこともあります。
 

まずは、被せ物の古い修復物を除去していきます。
 

その後に切れ込みを入れて、歯根になるべくクラック(ヒビ)を入れないようにメタルコアを除去していきます。

こちらの画像は超音波チップを使用してメタルコアを振動させて除去しているところです。

むし歯(虫歯)などを徹底的に除去し隔壁という補強をします。

その後、根管治療時には重要なラバーダム防湿を行います。
 

緑色の部分はラバーダムのゴムのマスクです。

オレンジ色の部分はガッタパーチャという以前に根管治療時に使用した根管充填材です。

この状態になり初めて根管内にアプローチをします。
 

ガッタパーチャを除去すると根尖から出血が確認できます。

よく洗浄します。

根管内がキレイになったことを手術用顕微鏡(マイクロスコープ)やX-P写真などで確認します。

問題ないと判断し、この日に根管充填を行いました。
 

こちらは土台と仮歯を入れて治療後約1ヶ月の画像です。

歯肉の腫れは改善しました。

患者さんの腫れや違和感も改善しました。

半年間悩んでいたそうです。

もっと早くこの治療をすればよかったと言って下さいました。

根管治療に手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用すると短時間に治療の質も高く行える可能性が高いです。

もちろん、保険適応外の薬剤なども良い結果に繋がったと思われます。

すべての方の歯が残せる訳ではありません。

治療が難しい場合もあります。

今回はここまでです。

このまま問題なければ被せ物を入れていきます。

今回の治療は自由診療になります。

これからも歯をなるべく残せるように精進していきます。

根管治療+ファイバーコア+仮歯+経過観察回数:3回(約1ヶ月)
費用:CT診断11,000円
   メタルコア除去22,000円
   根管治療88,000円
         ファイバーコア22,000円
リスク・副作用:腫脹、疼痛、歯肉の違和感など
すべての歯が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史