【根管治療・根尖病変】左上の前歯の根本と鼻の下を押すと痛い方の手術用顕微鏡(マイクロスコープ)エオ使用した根管治療

2024.04.26

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は左上の前歯の根本と鼻の下を押すと痛い方の手術用顕微鏡(マイクロスコープ)エオ使用した根管治療の内容を書きたいと思います。

患者さんは40代の男性です。

数年まえに左上の前歯の根管治療を受けたそうです。

左上の前歯の根本と鼻の下を押すと痛区なり治療を希望されました。

口腔内を確認します。

 

左上切歯にキレイな被せ物が装着されています。

打診痛があり、根尖部圧痛も認められます。

口腔内は大きな腫脹や発赤などは認められませんでした。
 

二次元のデンタルX-P写真画像では根尖の黒い透過像が認められます。

キレイになっていない根管が認められます。

この画像だけでは判断が難しいため、患者さんに説明し同意を得てCT撮影をさせてもらいました。
 

CT画像では根尖部に透過像があり、キレイになっていない根管も確認できます。

CT画像はとても情報量が多く特に再根管治療の際はとても役に立ちます。

患者さんによく説明し同意を得て根管治療を始めることになりました。

この歯の修復物はジルコニアクラウンといってとても硬い被せ物が入っていました。

 

ジルコニアは強度があるためサクサクは削れません。

ジルコニアクラウンが無事に除去できました。

次はファイバーコアの除去です。
 

このファイバーコアは歯質と色が似ているため注意が必要です。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して注意深くファイバーコアを除去していきます。

無事にファイバーコアを除去できました。

歯冠部(歯の頭)の部分がないため、根管治療に必要なラバーダムができません。

そのため隔壁を作成します。
 

隔壁を作成後にラバーダム防湿を行います。

緑色の部分がラバーダムというゴムになります。

この状態になって初めて根管治療が始められます。

まずは古い根管充填材を除去していきます。
 

専用のファイルで除去していきます。
 

根管内を機械的洗浄と化学的洗浄を行いキレイにします。

根管充填を行いました。
 

今回の内容ははここまでです。

次回の来院の際は治療前の左上の前歯の根本と鼻の下を押すと痛いなどの症状は無くなりました。

術直後の痛みも無くなったそうです。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)や良い材料、良い情報があるため短期間に根管治療が終われ患者さんの症状も改善できてよかったです。

経過が非常に短いため今後も注意深く経過を観察していきます。

これからも歯をなるべく残せるように精進していきます。

根管治療回数:1回
費用:CT撮影11,000円
         コア除去22,000円
   根管治療132,000円
リスク・副作用:腫脹、疼痛、歯肉の違和感など
すべての歯が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史