左下の奥歯(銀歯)の歯肉が腫れた②

2021.10.07

こんにちは。

東京都立川市「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

前回のブログです→https://www.inouedentalclinic.jp/blog/detail/id=36

前回は左下第二大臼歯の銀歯の根の部分の歯肉が腫れている患者さんについて書きました。

今回は実際に手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を応用して根の治療(根管治療、歯内療法)を行なった内容です。

根管治療をする前にまずは治療中に痛みがないように麻酔をします。

その後に古い修復物の銀歯を除去していきます。
 

銀歯を除去しました。

銀歯の下はやはりむし歯が進行していました。

特に銀歯との隙間があった部分はむし歯が進行して歯が溶けて柔らかくなっていました。

むし歯を徹底的に除去します。

むし歯を除去した状態で健全な歯質がどのぐらい残っているかによって、この歯が保存できるか抜歯になる可能性があるか判断します。

今回は、保存できると判断して根管治療をしました。

歯冠部(歯の頭の部分)がほとんどないため、隔壁という歯科用のプラスチックにて歯を補強します。

隔壁の目的はいろいろありますが、ラバーダムを装着することも重要な役割です。

根管治療をするためにはなるべく乾燥した状態で治療を進めた方が予後が良いと言われています。

そのためにゴムのマスクのラバーダム防湿が重要になります。

特に今回のよううに下の歯の場合は、舌もあり唾液により乾燥した状態が難しいです。
 

こちらがラバーダム防湿をした状態です。

紫色のラバーダムを使用しています。

この状態になって初めて根管治療を開始します。
 

口腔内は暗くて狭いです。特に根管内は肉眼だとキレイになっているか確認することは難しいです。

そのため、マイクロスコープを応用して根管治療をしていきます。

オレンジ色に見えるのが根管充填材という以前治療したお薬です。

根管内をキレイにしていきます。
 

根管治療の専用の器具を使用して根管内の汚れを除去していきます。
 

根管内がキレイになっているか確認します。

問題がなければ次回に根管充填材という最終的なお薬を入れて根管治療が終わります。

マイクロスコープを応用した根管治療は自費治療になります。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史