【歯肉退縮・根面カリエス】右下の歯肉が下がり歯根が露出し茶色くなってきた方に上皮下結合組織移植術(歯肉移植)

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は右下の歯肉が下がり歯根が露出し茶色くなってきた方に上皮下結合組織移植術(歯肉移植)についてです。

患者さんは60代の男性です。

右下大臼歯の歯肉退縮が進んできていること、歯根の色が気になることで治療を希望されています。
 
右下の前から6番目の第一大臼歯部の頬側に歯肉退縮、根面が楔状欠損が認められます。

根面が茶色くなっています。
 
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の倍率を拡大して確認します。

楔状欠損といわれ歯の根本がすり減っています。

咬み合わせが強い方、ブラキシズムなどが関係していると思われます。

根面が凹んでいることから白く見えるものがバイオフィルム(細菌の塊)で、根面カリエスの原因となります。

患者さんに現状を説明し治療方法、期間、費用、メリット、デメリットなどを説明します。

患者さんは治療を希望されました。

当医院の歯肉退縮の治療→マイクロスコープを使用した歯周病治療

上皮下結合組織術＋エムドゲイインを行いました。
 
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の倍率を拡大して確認します。
 
正面の術前と術後の比較です。
 

側方のの術前と術後の比較です。

 

黄色のラインが第一大臼歯の術前の歯肉のラインです。

青色のラインが歯肉移植術後の歯肉のラインです。

歯肉が増えたことにより、歯根面積が歯肉で覆われています。

歯肉の色も厚さも良好です。

患者さんは歯肉が再生すること、歯肉退縮が治療できることは知らなかったと喜ばれていました。

患者さんの開口量も多くなく、下顎の大臼歯部の上皮下結合組織移植術なので難しかったです。

患者さんが喜ばれたて本当によかったです。

歯肉退縮の手術も手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用します。

今回のようにエムドゲインを使用した歯肉移植は自由診療になります。

治療期間・回数：約1ヶ月、3回
費用(自由診療になります。)：194,800円(材料代込み)3本分
リスク・副作用：出血、腫脹、疼痛、歯肉の違和感、歯肉退縮、しみる症状など
※歯肉退縮の進行状態、歯の本数によって費用が異なります。
個人差や生体反応もあるため、すべての方が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

今回は以上になります。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した歯肉退縮、歯周病治療や根管治療などご希望の方はご連絡お待ちしています。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史