【歯周補綴治療・歯を残す】左上奥歯の歯周ポケット8~10mmの歯周再生療法後のジルコニアクラウン治療

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して左上奥歯の歯周ポケット8~10mmの歯周再生療法後のジルコニアクラウン治療についてです。

前回までの治療の流れです→【歯を残す・歯周病治療】手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して歯周ポケット8~10mmの歯周再生療法

今回は歯周病治療などが終わり最終的な被せ物(ジルコニアクラウン)をセットした内容です。

患者さんは60代後半の女性です。

左上の奥歯の歯肉に違和感が続く。歯もぐらぐらする。歯を抜かないで治療をしてほしいことを主訴に来院されました。
 

術前の画像です。

歯と歯肉の間に白いバイオフィルム(細菌の塊、デンタルプラーク)が入り込んでいます。
 

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の倍率を拡大します。

歯肉がぶよぶよに腫れ歯と歯肉の間に汚れが入り込んでいます。
 

裏側の口蓋側の歯肉も大きく腫れています。

歯周病治療などを行い最終的な被せ物をセットしました。

 

歯肉の状態も非常に良いです。
 

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の倍率を拡大します。
 

術前との比較です。

左側の術前は歯と歯肉の間に汚れが入っています。

右側の術後は歯と歯肉の間に汚れが入りにくい健康と思われる歯肉に改善されたと思われます。
 

口蓋側の比較です。

左側の術前は歯肉が大きく腫れ、歯肉の色も真っ赤に炎症が認められます。

右側の術後は歯肉の色も健康なピンク色になり歯肉も引き締まってとても良い状態です。

患者さんの症状は良くなりました。

患者さんに症状を聞くと症状がなくなり術前の左上の奥歯の歯肉に違和感が続くこと歯もぐらぐらすることを忘れていたとのことです。

嫌なことは忘れた方がいいですね。

患者さんは日々の歯磨き、治療予約にキッチリ来院され、定期的なメインテナンスの継続されたことが良い結果になっていると思われます。

今回の歯は歯周病も進行し動揺も大きく、むし歯も根面まで進行している状態のよくない歯でした。

すべての歯が保存できるわけではありません。

歯周病やむし歯などが大きく進行する前に歯科医院に受診することをお薦めします。

天然の歯を残すことは条件が揃わないとうまくいかないため非常に難しいです。

今回も患者さんが喜んでくれてよかったです。

今後とも歯を残せるように精進していきます。

引き続きメインテナンスで経過観察をしていきます。
 

■費用
 

被せ物治療来院回数:2回(約1ヶ月)   
費用:ジルコニアクラウン治療330,000円(2本)
リスク・副作用:腫脹、疼痛、歯肉の違和感、被せ物の破折、変色など
すべての歯が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

今後ともよろしく願いします。

井上貴史
 
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