【根管治療・根尖病変】精密検査を行って右下奥歯の根尖に病巣が見つかり手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して根管治療を行なったケース

2024.11.11

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は精密検査を行って右下奥歯の根尖に病巣が見つかり手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して根管治療を行なったケースを書きたいと思います。

患者さんは特に症状はなく、精密検査を希望され来院されました。

右下の前から6番目の第一大臼歯の根尖に病巣と思われる透過像が認められます。
 

CTからも遠心根の根尖に大きな透過像が認められます。

CT撮影を行うといろんな角度から歯根の形態や病巣の範囲など情報量が多く、特に際根管治療の場合はとても重要な検査になります。

 

右下第一大臼歯には銀歯が入っています。

根管治療含めいつ治療したかはわからないそうです。

銀歯の下はむし歯のような歯質の変色が認められます。

患者さんに精密検査の内容をよく説明しました。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)使用して根管治療を自由診療で行うことを希望されました。

まずは、銀歯を除去します。
 


その後、コア(土台)を除去していきます。

やはり、銀歯の下でむし歯が広がっていました。

 


根尖病巣と思われる根管にスクリューピンが入っています。

こちらの画像はスクリューピンを超音波チップにて除去しています。

スクリューピンはネジになっているため、反時計回りに振動を当てるとスムーズに除去できます。

除去後はラバーダム防湿を行うため、歯を補強して隔壁を作ります。
 

こちらが隔壁を作りラバーダム防湿を行なった画像です。

オレンジ色に見えるものがガッタパーチャという根管充填材です。

根管充填材のガッタパーチャが黒く汚れています。

腐敗臭という腐った臭いもしていました。
 

根管内にあるガッタパーチャを手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して除去していきます。

根管内は暗くて狭いため、手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用しないとよく見えず感覚的な治療になり治療の質は良くなくや治療の時間がかかると思われます。
 

根管内のガッタパーチャや汚れが除去できたと思います。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用すると根尖部も確認されます。

湾曲している根管は根尖を確認することは難しいです。
 

最後にデンタルX-P写真を撮影し次回根管充填を行います。

今回はここまでです。
 

■費用
 

根管治療来院回数:2回(約1ヶ月)   
費用:コア除去33,000円
根管治療165,000円
リスク・副作用:腫脹、疼痛、歯肉の違和感、歯根破折など
すべての歯が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用し、海外で評価されている材料を使用することで少しでも根管治療の予後を良くし患者さんの歯を長く使ってもらえるように今後とも精進してまいります。
今後ともよろしくお願いします。

井上貴史
 
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