【歯肉退縮・歯周組織再生】マイクロスコープを使用して右上犬歯の根面被覆術

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は右上犬歯の歯肉退縮(歯肉が下がる)が気になる方の治療についてです。

患者さんは20代の男性です。

右上犬歯の歯肉退縮が年々進んできて抜けてしまうか心配になり治療を希望されています。
 

■マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用して状況を確認


右上の犬歯を確認していきます。
 


歯根が露出しています。

エアーなどの冷水痛や知覚過敏症状はありません。

歯並びは歯列のスペースは少なく歯が重なる叢生です。

おそらく右上犬歯が歯列より頬側ににあることで歯周組織から出ていることで歯肉退縮を起こしていること、口唇にも犬歯の頬側歯肉が慢性的に触れてその刺激でも歯肉退縮が起きているのではないかと思われます。

マイクロスコープ(手術用顕微鏡)の倍率を拡大します。
 

こちらは最大倍率の21.3倍です。

歯肉がとても薄くなっていることが確認できます。

マイクロスコープの倍率は使用する目的によってや治療内容によって変えていきます。

まずは診断をしないといけません。

歯肉を移植すればなんでも歯肉が上がり根面被覆ができるわけではありません。

ミラーの分類やカイロの分類などを参考しに診断します。

患者さんに現在の状態や治療法などをよく説明し同意を得ました。

上皮下結合組織移植術を行います。
 

■歯肉退縮の治療



続いては歯肉退縮の治療になります。

当歯科医院の歯肉退縮の治療→マイクロスコープを使用した歯周病治療/歯肉退縮の治療

手術の画像はありますが出血がありますので割愛します。

よろしければ、HPにイラストで術式を描きましたので見て頂ければと思います。

上顎の口蓋側の上皮下結合組織を採取して、歯肉退縮が起きている部位に移植していきます。
 

■治療後
 


マイクロスコープで確認します。

歯肉に厚みが出てきていることが認められます。

治療の比較になります。
 


左が術前です。

歯根が歯肉に覆われ根面被覆がある程度改善できたと思われます。

違う角度の写真です。
 


根面が歯肉でカバーされ見えなくなりました。

患者さんも喜んでくれてよかったです。

治療期間・回数:約1ヶ月、4回
費用(自由診療になります。):139,800円(材料代込み)
リスク・副作用:出血、腫脹、疼痛、歯肉の違和感、歯肉退縮、しみる症状など
※歯肉退縮の進行状態、歯の本数によって費用が異なります。
個人差や生体反応もあるため、すべての方が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

今回は以上になります。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した歯肉退縮、歯周病治療や根管治療などご希望の方はご連絡お待ちしています。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史
 
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