【歯周補綴治療・歯を残す】歯周病で前歯が揺れている方のセラミック治療

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は歯周病で前歯が揺れている方のセラミック治療についてです。

患者さんは60代、女性です。

主訴は前歯がぐらぐらして物が食べにくい、このままにしていたら歯が抜けるのではないかということで来院されました。

歯周病治療や根管治療が無事に終わり、最終的な補綴物(被せ物)の形態をイメージするためのプロビジョナルレストレーション(最終的な補綴物のような仮歯)を装着しました。

その後、患者さんの体調などのご都合で来院が中断になりました。
 


治療に来院できない間も患者さんは歯磨きをよく頑張ってくれ、磨きも良く歯肉の状態もよくキープされていました。

今回の内容は最終的の補綴物のセラミッククラウンについてです。

当歯科院の補綴治療の流れについてです→マイクロスコープを使用した補綴(被せ物)治療
 

■セラミッククラウンの印象


セラミッククラウンを作成してもらうために、まずは型を取らないといけません。
 


麻酔を行い仮歯を除去しクリーニングをします。

上の画像は歯肉圧排糸といって歯と歯肉の歯肉溝に糸を入れます。

これは歯肉を圧排することで形成(形を整える)する際に歯をキッチリ明示できます。

そして、印象(型取り)する際に歯なのか歯肉なのがのマージン(境界)をキッチリ出すことで、歯科技工士さんが作る模型が明瞭になり良いセラミッククラウンが作ってもらえます。
 

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して形成を行なっています。

歯の周りに黒く見えているのが歯肉圧排糸です。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用する事でよく見えるため、形成時に歯肉を傷つけないで治療を進めることができます。歯肉圧排糸のおかげもあります。

形成後に印象を行います。
 

シリコーン印象を選択しました。

黄色い材料がシリコーンの印象材です。

歯の全周に入れていきます。

この後、プロビジョナルを修正して終わります。

歯の色や形態なども再度患者さんとよく打ち合わせを行います。

その内容を歯科技工士さんにお伝えし作成をお願いします。
 

■セラミッククラウンの装着


歯科技工士さんに作成してもらいセラミッククラウンの装着になります。
 

こちらの画像はセラミッククラウンの試適の状態です。

歯と歯の間の隣接面の強さやセラミックの適合状態、形態、色などを確認します。

患者さんにも確認してもらいOKを頂いて装着をしていきます。
 

こちらの画像は、セラミック装着後1週間が経過した物です。

歯肉の状態もよく問題なく入りよかったです。

患者さんも満足して頂けてよかったです。

■術前術後の比較


初診時との比較です。
 


上が初診時の写真です。

セラミックの白い歯になったからキレイになったのもありますが、歯周病治療や根管治療などを行い患者さんも歯磨きをよく頑張ってくれたことなど総合的に治療を行ったことで健康な歯肉の色や形に改善されたと思われます。

患者さんも歯の揺れが改善され喜んでもらえて嬉しいです。

セラミックを使用した治療は費用は自由診療になります。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した歯周病治療、根管治療、補綴治療などご希望、ご興味がある方はご連絡
お待ちしています。

なるべく歯を残せるように精進していきます。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史