【根管治療・パーフォレーション】左上の奥歯の根管充填とMTAセメントにてパーフォレーションリペア

2023.07.28

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は左上の第一大臼歯の根管充填とパーフォレーションリペアについてです。

前回のブログです→【根管治療・パーフォレーション】マイクロスコープを使用して左上第一大臼歯のメタルコア除去と根管治療

前回の治療で根管内をキレイに清掃したため、今回は根管充填といって最終的なお薬を根管内に入れていきます。

当歯科医院の根管治療についてです→マイクロスコープを使用した根管治療

 

■手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した根管充填



まずは前回の治療後の痛みなど経過を確認します。

術直後も痛みや違和感などなかったそうです。

打診なども特に異常はありませんでした。

よかったです。

治療中になるべく痛みがないように麻酔を行います。

その後にラバーダム防湿を行い仮蓋を除去し根管内を洗浄し乾燥させて手術用顕微鏡(マイクロスコープ)で確認します。

 

紫色がラバーダムというゴムです。

ゴムのマスクのようなものです。

ラバーダム防湿の利点は唾液の侵入を防いだり、根管洗浄の薬液など漏れないようになどあります。

それでは根管充填を行なっていきます。

今回はパーフォレーション(穿孔)部をMTAセメントを使用してリペアを行いました。
 


■MTAセメントとは

 

MTAは、Mineral trioxide aggregateの略です。

MTAセメントの主成分は、ケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO2)、ケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO2)、アルミン酸三カルシウム(3CaO・Al2O3)などの無機質酸化物であり、全体の約7割を占めています。

MTAセメントの主な特徴は、高い殺菌力、密封性の高さ、生体親和性の高さなどがありパーフォレーションのリペアには欠かせない材料です。

 

■手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用したパーフォレーションリペア



問題がない根管に根管充填が終わり、続けてパーフォレーション部にMTAセメントを充填していきます。


 


赤く見えるのがパーフォレーション部です。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の倍率を拡大します。
 


緑色の点線がガッタパーチャという根管充填材です。

黄色の点線はパーフォレーション部になります。

マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用すると高照明、高拡大下で観察することができるため、パーフォレーション部を確認することができる可能性が高いです。

MTAセメントを充填していきます。
 


白い材料がMTAセメントです。

マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用している為、パーフォレーション部をピンポイントでMTAでリペアが可能と思われます。
 


MTAセメントを充填直後の画像です。

今回はここまでです。

MTAセメントを使用した根管治療は自費治療になります。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した根管治療、歯周病治療、歯肉退縮の治療などご興味がある方はご連絡お待ちしています。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史