【根管治療・パーフォレーション】マイクロスコープを使用して左上第一大臼歯のメタルコア除去と根管治療

2023.07.24

こんにちは。

東京都立川市にある歯医者の「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回はマイクロスコープを使用して左上第一大臼歯のメタルコア除去と根管治療を行なったケースについてです。
 

■術前の診査


患者さんは特に強い症状はないが、左上の銀歯の部位が気になることがあるとのことで精密検査を行うことにしました。
 


歯肉の腫れもなく特に異常所見はありませんでした。

画像診査を行います。

二次元のX-P写真では確認できないと判断し3次元の歯科用CTを撮影しました。

 

メタルコアも太く大きいものが入っていると予想されます。

歯根の先端に病巣と思われる透過像が確認できます。

歯根と歯根の間の分岐部にも透過像があります。

強い症状はありませんが、状態のよくない歯です。

患者さんに現在の状態をよく説明します。

今回はマイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用して根管治療を行うことにしました。
 

■マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用してメタルコア除去


これから実際の治療になります。

まずは治療中に痛みがないように麻酔をします。

左上の第一大臼歯の銀歯を除去しました。

 

やはり大きなメタルコア(土台)が入っていました。

大きな根っこが3つありそこにメタルコアが入っていると予想されてます。

そのため、そのままではメタルコは除去できないため分割していきます。

 

マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用して頬側と口蓋側のメタルコアを分割します。

マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用しているため、メタルコアが削られていき歯質が見えてきたのが確認できます。

口腔内は暗くて狭いのでメタルコアが分割されているか分かりにくいです。

予想よりメタルコアを除去するのが大変でした。

除去後はむし歯(虫歯)などを徹底的に除去し隔壁を作成しラバーダム防湿を行いました。
 

■マイクロスコープを使用して根管治療


ラバーダム防湿を行い根管治療を始めました。

本来の根管口と異なるところから出血が確認されました。
 

黄色い点線で囲んでいる部位がパーフォレーション(穿孔)と言って歯に穴が空いていて出血しています。

緑色い点線で囲んでいる部位が本来の根管口です。

根管内をキレイにして違う角度でパーフォレーション部を確認します。
 

黄色い点線で囲んだ部分がパーフォレーションで穴が空いている部位です。

術前のCTでの分岐部の透過像はパーフォレーションが原因だったかもしれません。

今回はここまでです。

パーフォレーション部はMTAセメントを使用してリペアをする予定です。

マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用することで治療の質が上がるだけではなく、患者さんにお見せすることができます。

患者さんへの説明も理解が深められます。

続きのパーフォレーションリペアのブログです→【根管治療・パーフォレーション】左上の奥歯の根管充填とMTAセメントにてパーフォレーションリペア

マイクロスコープを使用した根管治療などご興味があります方はご連絡お待ちしています。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史