【歯周病治療・エムドゲイン】左上奥歯の重度歯周病(歯槽膿漏)治療

2023.06.06

こんにちは。

東京都立川市にある歯医者の「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は、手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して左上奥歯の重度歯周病(歯槽膿漏)治療についてです。

患者さんは左上の奥歯が痛みがあり、ぷらぷら歯が揺れていることも気になり来院されました。
 

■手術用顕微鏡(マイクロスコープ)での口腔内診査


まずはお口の中を確認していきます。
 

前から6番目の左上第一大臼歯が特に動揺しています。

歯根も露出しています。
 

歯根の周りにはバイオフィルム(デンタルプラーク、歯垢)といって細菌の塊が多く付着しています。

歯根表面を器具で触るとバイオフィルム(デンタルプラーク、歯垢)が確認できます。
 

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の角度を変えて歯周ポケットを確認します。

歯と歯肉の間の歯周ポケットの中にバイオフィルム(デンタルプラーク、歯垢)が多く入り込んでいます。

患者さんは以前にも歯周病治療を受けられています。

そのため、歯磨きはキレイに磨けています。

しかし、深い歯周ポケットの場合は頑張って歯を磨いてもなかなか汚れを除去することは難しいです。

患者さんにはこの画像など資料を使用して歯周病についてよく説明しました。

歯周組織が多く失われているため、歯周病治療などの治療を行っても抜歯の可能性が非常に高いと説明し治療の同意を得ました。
 

■手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して感染物除去


患者さんに歯周病治療などについてよく理解してもらい治療を開始しました。

当歯科医院の歯周病治療についてです→マイクロスコープを使用した歯周病治療/歯肉退縮の治療
 


麻酔をして専用の器具を使用して歯肉を排除して歯根表面を確認します。

この画像は左上臼歯部口蓋側(歯の裏側)です。

茶色く見えるのが歯石と思われます。

歯石の上の白く見えるのがバイオフィルム(デンタルプラーク、歯垢)の可能性が高いです。

歯石の表面はザラザラしています。

その上にバイオフィルム(デンタルプラーク、歯垢)などの汚れが付着しています。

 


こちらの画像はバイオフィルム(デンタルプラーク、歯垢)を除去した状態です。

やはり、白いバイオフィルム(デンタルプラーク、歯垢)を除去するとその下に茶色い歯石が多く付着しています。

日々の歯磨きや肉眼などの治療では確認することが難しいと思われます。

歯根表面のバイオフィルム(デンタルプラーク、歯垢)や歯石が確認できないということは、感覚での治療になってしまいます。

感覚での治療では感染症である歯周病を改善することは難しいと思われます。
 

こちらが、可能な限り歯根表面の汚れを除去した状態です。

歯根表面をなるべく傷をつけないように気をつけます。

そして、歯根表面を滑沢にします。

こちらは、頬側です。
 

こちらも歯根表面にバイオフィルム(デンタルプラーク、歯垢)が付着しています。
 


バイオフィルム(デンタルプラーク、歯垢)を除去した状態です。
 

■エムドゲイン塗布


 


最後に歯根表面の汚れが除去した所に、歯周組織の再生を誘導するエムドゲインを歯根表面に塗布します。

今回はここまでです。

後は注意深く経過観察をしていきます。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用することで、暗くて狭い口腔内や深い歯周ポケットを確認できる可能性が高いです。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した根管治療(歯内療法)、歯周病治療、むし歯治療などご興味があります方ご連絡お待ちしています。

なるべく歯を残せるように精進していきます。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史