【根管治療・歯を残す】左下の奥歯の歯肉が腫れて顎まで痛い

2022.11.14

こんにちは。

東京都立川市にある歯医者の「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は左下の奥歯の歯肉が腫れて顎まで痛いということで来院された方についてです。

原因と思われる歯は前から数えて6番目の左下第一大臼歯です。

口腔内診査を行っていきます。

何もしなくても違和感が続き、打診痛はあり、根尖部圧痛もあります。

今日は少しよくなったが症状が変わらないとのことです。

X-P写真撮影など検査をして総合的に判断します。

この歯は根管治療(根の治療)が必要と診断しました。

患者さんによく説明し同意を得て根管治療を開始しました。

根管治療を行う前によく麻酔を効かせます。

今回は咬合痛もあるため、咬み合わせも調整しました。

最終的には大臼歯で根管治療をした歯なので、全体的に被せ物をする予定です。

その後、ラバーダム防湿というゴムのマスクをつけます。

歯にかける金属のクランプと紫色のラバーダムのゴムの隙間がないようにシーティングといって封鎖をきっちりします。

特に下顎の大臼歯の根管治療は唾液が根管内に入りやすです。

なるべく、乾燥した状態で根管治療をしたいと思います。

そして、ラバーダム防湿は根管内に使用する薬液が漏れないようにする効果もあります。
 

ラバーダム防湿が終わりました。

これから、根管内の治療に入ります。
 

なるべく、歯にクラックというひびを入れないように5倍速コントラを使用します。

5倍速コントラは歯科用回転切削器具です。

根管の入り口の根管口を探します。
 

根管口が見えてきました。

根管口をキレイにしていきます
 

丸印の部分の根管口から排膿をいって膿が出ています。

歯髄(歯の神経)が感染して化膿した状態だと思われます。

矢印は歯髄と思われます。
 

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の倍率を上げて拡大します。

健康な歯髄の場合は赤色をしています。

今回は赤色はしてなく、歯髄が失活し化膿していると思われます。

今回の違和感や腫れた症状は歯髄が失活していたことが原因と思われます。

根管治療を進めて、根管内を清掃します。

根管内から排膿がなくなったことも確認してこの日の根管治療を終了します。
 

最後の白い仮の蓋を入れておしまいです。

根管内はキレイにしたので症状が改善されたら、根管充填といって最後のお薬を入れて根管治療が終わります。

患者さんがこの日の治療後に腫れた感じが楽になったと仰っていました。

根管内から膿を出したことがよかったと思われます。

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用することで、狭くて暗い根管内もよく見えます。

そして、患者さんの歯や歯肉の状態がどのようになっているかも録画してお見せすることもできます。

当歯科医院では手術用顕微鏡(マイクロスコープ)は根管治療だけでなく、むし歯(虫歯)治療、歯周病治療、歯肉退縮の治療、メインテナンスのクリーニングなどにも使用しています。

お口の中でお困りなことがありましたらご来院お待ちしております。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史