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【パーフォレーション・歯を残す】根管治療をした歯の症状が変わらない方のセカンドオピニオンからのマイクロスコープを使用しての根管治療を行なったケース
2024.12.28
こんにちは。東京都立川市にある歯医者の「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。
今回は根管治療をした歯の症状が変わらない方のセカンドオピニオンからのマイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用しての根管治療を行なったケースについてです。
患者さんは50代女性です。
左上の奥歯が痛みや違和感が続くそうです。
他歯科医院を受診され抜歯の可能性が高く、抜歯した場合はインプラント治療の説明をして頂いたそうです。
なるべく歯を抜きたくないとの事で強く保存を希望されています。
当歯科医院でのマイクロスコープでの治療を希望されセカンドオピニオンで来院されました。
セカンドオピニオンについて→セカンドオピニオン
マイクロスコープを使用して左上の奥歯を確認していきます。
頬側、口蓋側ともに歯肉に腫脹や発赤などは認められません。
打診は垂直的に認められます。根尖部圧痛も認められます。
患者さんの同意を得てデンタルX-P写真撮影を行い、その画像だけでは確認が難しいと判断し3次元的なCT撮影を行いもした。
左上第一大臼歯部の根分岐部に透過像といって黒い影が認めれれます。
分岐部の歯質が薄くパーフォレーション(歯に穴が空いている状態)の可能性が高いと判断しました。
他にも近心根の根尖に透過像が認めれれます。
特に再根管治療のケースは術前の資料や診査診断は非常に重要です。
患者さんに現在の状態、治療方法、期間、費用、メリット、デメリットをよく説明します。
パーフォレーションの確定は被せ物などを除去してマイクロスコープで確認しないと確定しないことを十分に説明します。
患者さんは当院での治療を希望されこの日は終わりました。
患者さんはどのような状態になって現在の症状が出ているか不安が説明を受けて安心したと言って帰られました。
後日、治療時間など準備を行い治療を開始します。
治療開始までにCT画像などをよく確認して根管治療の計画を立てます。
準備が足りない状態で治療すると行き当たりばったりになり良い結果にならないことがあります。
まずは患者さんは歯科治療の痛みにナーバスになっている為、術前によく麻酔を効かせます。
その後、ジルコニアクラウンを除去していきます。
ジルコニアは非常に硬い材料です。
専用のバーで除去します。
こちらがジルコニアクラウンを除去した状態です。
想定したより早く除去できてよかったです。
コア(土台)はファイバーコアが入っています。
ファイバーコアはメタルの金属と異なり白く歯質と色が似ています。
削らないと除去できません。
マイクロスコープを使用してファイバーコアを除去していきます。
口腔内は暗くて狭いため、そして色が似ているので肉眼やルーペだと見分けることが難しいと思われます。
しかも今回は根管内の深い部分までファイバーコアが入っていました。
慎重に除去していくとオレンジ色のガッタパーチャ(根管充填材)が見えてきました。
方向を間違えるとパーフォレーションの危険性があります。
マイクロスコープを使用することで安心安全にファイバーコアを除去することができると思われます。
コア除去後に隔壁(歯を補強)を作成しラバーダム防湿(ゴムのマスク)を行います。
その後に術前にパーフォレーションの可能性が高い分岐部のコアを除去します。
やはりパーフォレーション(黄色い点線)が認められました。
この歯の根管口(根管の入口)が通常より外側に位置していました(青色の点線)。
マイクロスコープや十分な時間、準備がないと落ち着いて根管口を見つけることは難しいと思います。
マイクロスコープの角度を変えてパーフォレーション部を確認します。
根管の治療を行う前にパーファレーションリペアをMTAセメントで行い感染源を封鎖してから根管治療を開始することにしました。
MTAセメントをパーフォレーション部に充填します。
パーフォレーション部を確認しながらの治療なので短時間で質の高く充填が終わりました。
他の根管は後日行うことにしました。
今回はジルコニア+ファイバーコア除去、パーフォレーションリペアについて書かせて頂きました。
マイクロスコープを使用することで治療だけでなく、治療後に患者さんにその画像を使用して説明ができる大きなメリットがあります。
患者さんは術前の説明、治療の説明がマイクロスコープでの画像でわかりやすく、自分の歯がこのような状態になっていることを初めて知ったと言っていました。
今回はここまでです。
MTAセメントを使用した治療は自費治療となります。
■費用
セカンドオピニオン、パーフォレーションリペア来院回数:2回
費用:セカンドオピニオン22,000円
コア除去33,000円
パーフォレーションリペア55,000円
根管治療165,000円
リスク・副作用:腫脹、疼痛、歯肉の違和感、歯根破折など
すべての歯が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用し、海外で評価されている材料を使用することで少しでも根管治療の予後を良くし患者さんの歯を長く使ってもらえるように今後とも精進してまいります。
今後ともよろしくお願いします。
本年もありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
井上貴史
今回は根管治療をした歯の症状が変わらない方のセカンドオピニオンからのマイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用しての根管治療を行なったケースについてです。
患者さんは50代女性です。
左上の奥歯が痛みや違和感が続くそうです。
他歯科医院を受診され抜歯の可能性が高く、抜歯した場合はインプラント治療の説明をして頂いたそうです。
なるべく歯を抜きたくないとの事で強く保存を希望されています。
当歯科医院でのマイクロスコープでの治療を希望されセカンドオピニオンで来院されました。
セカンドオピニオンについて→セカンドオピニオン
■マイクロスコープを使用しての口腔内診査
マイクロスコープを使用して左上の奥歯を確認していきます。
頬側、口蓋側ともに歯肉に腫脹や発赤などは認められません。
打診は垂直的に認められます。根尖部圧痛も認められます。
患者さんの同意を得てデンタルX-P写真撮影を行い、その画像だけでは確認が難しいと判断し3次元的なCT撮影を行いもした。
左上第一大臼歯部の根分岐部に透過像といって黒い影が認めれれます。
分岐部の歯質が薄くパーフォレーション(歯に穴が空いている状態)の可能性が高いと判断しました。
他にも近心根の根尖に透過像が認めれれます。
特に再根管治療のケースは術前の資料や診査診断は非常に重要です。
患者さんに現在の状態、治療方法、期間、費用、メリット、デメリットをよく説明します。
パーフォレーションの確定は被せ物などを除去してマイクロスコープで確認しないと確定しないことを十分に説明します。
患者さんは当院での治療を希望されこの日は終わりました。
患者さんはどのような状態になって現在の症状が出ているか不安が説明を受けて安心したと言って帰られました。
■左上のジルコニアクラウン(被せ物)とファイバーコア除去
後日、治療時間など準備を行い治療を開始します。
治療開始までにCT画像などをよく確認して根管治療の計画を立てます。
準備が足りない状態で治療すると行き当たりばったりになり良い結果にならないことがあります。
まずは患者さんは歯科治療の痛みにナーバスになっている為、術前によく麻酔を効かせます。
その後、ジルコニアクラウンを除去していきます。
ジルコニアは非常に硬い材料です。
専用のバーで除去します。
こちらがジルコニアクラウンを除去した状態です。
想定したより早く除去できてよかったです。
コア(土台)はファイバーコアが入っています。
ファイバーコアはメタルの金属と異なり白く歯質と色が似ています。
削らないと除去できません。
マイクロスコープを使用してファイバーコアを除去していきます。
口腔内は暗くて狭いため、そして色が似ているので肉眼やルーペだと見分けることが難しいと思われます。
しかも今回は根管内の深い部分までファイバーコアが入っていました。
慎重に除去していくとオレンジ色のガッタパーチャ(根管充填材)が見えてきました。
方向を間違えるとパーフォレーションの危険性があります。
マイクロスコープを使用することで安心安全にファイバーコアを除去することができると思われます。
コア除去後に隔壁(歯を補強)を作成しラバーダム防湿(ゴムのマスク)を行います。
その後に術前にパーフォレーションの可能性が高い分岐部のコアを除去します。
やはりパーフォレーション(黄色い点線)が認められました。
この歯の根管口(根管の入口)が通常より外側に位置していました(青色の点線)。
マイクロスコープや十分な時間、準備がないと落ち着いて根管口を見つけることは難しいと思います。
マイクロスコープの角度を変えてパーフォレーション部を確認します。
根管の治療を行う前にパーファレーションリペアをMTAセメントで行い感染源を封鎖してから根管治療を開始することにしました。
MTAセメントをパーフォレーション部に充填します。
パーフォレーション部を確認しながらの治療なので短時間で質の高く充填が終わりました。
他の根管は後日行うことにしました。
今回はジルコニア+ファイバーコア除去、パーフォレーションリペアについて書かせて頂きました。
マイクロスコープを使用することで治療だけでなく、治療後に患者さんにその画像を使用して説明ができる大きなメリットがあります。
患者さんは術前の説明、治療の説明がマイクロスコープでの画像でわかりやすく、自分の歯がこのような状態になっていることを初めて知ったと言っていました。
今回はここまでです。
MTAセメントを使用した治療は自費治療となります。
■費用
セカンドオピニオン、パーフォレーションリペア来院回数:2回 費用:セカンドオピニオン22,000円
コア除去33,000円
パーフォレーションリペア55,000円
根管治療165,000円
リスク・副作用:腫脹、疼痛、歯肉の違和感、歯根破折など
すべての歯が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。
手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用し、海外で評価されている材料を使用することで少しでも根管治療の予後を良くし患者さんの歯を長く使ってもらえるように今後とも精進してまいります。
今後ともよろしくお願いします。
本年もありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
井上貴史
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