【根管治療】マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用した根管治療のイスムスについて

2023.08.29

こんにちは。

東京都立川市にある歯医者の「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回はマイクロスコープ(手術用顕微鏡)を使用した根管治療のイスムスについて書きたいと思います。
 

■イスムスとは


イスムスとは、根管と根管との間を繋いでいる細く狭いくぼみのようなものです。このイスムスに細菌や古い根管充填材や感染物などがたまりやすいです。このイスムスの処置をしないと根管治療は上手くいきません。このイスムスに細菌など汚れが集まりやすいからです。

イスムスのイラストを書きました。

左側のイラストは、根管が単独に存在しています。

右側のイラストは、根管と根管がイスムスで結合しています。
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根管内は非常に複雑になっています。

根管の入口は単独でも、根の先の根先で繋がっていたりするケースもあります。

術前にデンタルX-P写真撮影や必要に応じてCT撮影をする場合もあります。
 

■実際の根管治療のイスムスのケースです。


患者さんは、久しぶりの歯科医院受診になります。

むし歯治療や歯周病治療など、お仕事など忙しく放置されていたそうです。

むし歯の治療をしてほしいとのことでした。

今回は右上の根管治療についてスポットを当てて書きたいと思います。

当歯科医院の根管治療についてです→マイクロスコープを使用した根管治療
 

今回は根管治療のイスムスについてですので、いきなりラバーダムをしての根管治療になります。

麻酔をしてむし歯をきっちり除去して、コンポジットレジンで隔壁作成しました。

その後にラバーダム防湿を行い根管治療を開始しました。
 

根管口(丸い点線)を明示すると、2つの根管の間にイスムスのようなものが確認できます。(矢印)

根管治療専用の超音波チップを使用してイスムスを整えます。
 


必要以上に削らないように、手用器具に代えてイスムスを整理します。
 

こちらがイスムスが整理できた状態です。

初めは根管口は2つの入り口でしたが、イスムスを整理すると根先は1つに繋がっていました。
 

■根管治療のイスムスの術前と術後です。

 

左側がイスムスを整理する前です。

右側がイスムスを整理して根管がキレイになった状態です。

このイスムスを整理しなければいずれこのイスムスに細菌が集まり、再治療をしなくてはいけない可能性があったと思われます。

お口の中特に根管内は暗くて狭いです。

肉眼での治療は限界があります。

マイクロスコープでの高照明、高倍率での視野があると、根管と根管のイスムスを確認でき治療できる可能性が高いです。

今回は根管治療のイスムスについて書きました。

なるべく歯を残せるように精進していきます。

根管治療、歯周病治療、むし歯治療などご興味があります方はご連絡お待ちしています。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史