【根管治療・根尖病変】左上の奥歯の根本の歯肉が腫れたて痛みがある方の手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して原因を探る

こんにちは。

東京都立川市の歯科医院「Inoue Dental Clinic」歯科医師の井上貴史です。

今回は左上の奥歯の根本の歯肉が腫れたて痛みがある方の手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した根管治療の内容を書きたいと思います。

患者さんは数ヶ月前に根管治療をしてもらったが、症状の改善がなく腫れと痛みが続いているそうです。

当歯科医院を調べてセカンドオピニオンを希望され来院されました。

セカンドオピニオンについて→セカンドオピニオン

まずはこの歯の経緯をよく聴かせてもらいます。

その後、手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して原因の歯を確認していきます。
 


左上の前から6番目の第一大臼歯の頬側歯肉が腫れています。

 

手術用顕微鏡(マイクロスコープ)の倍率を拡大してみます。

サイナストラクトといって歯肉の腫れ、触ると排膿も確認できます。

根尖部圧痛も確認できます。

患者さんに説明し同意を得てCT撮影を行いました。

根尖病変など確認するためにはCT撮影は重要です。

特に再根管治療の場合はどの根管が原因なのか術前に診断が重要になります。

CT画像から近心根の周りに透過像という病巣と思われる所見が認められました。

患者さんに現在の状態、当歯科院での治療方法、期間、費用などをよく説明しました。

患者さんは当歯科院での治療を希望されました。

後日、準備をして治療になります。

当日は痛みなどの場合などは応急処置を行う場合もありますが、初診当日にいきなり治療は行わないことが多いです。

 

■手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用した根管治療



ここから治療になります。

むし歯(虫歯)など手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用して徹底的に除去していきます。

根管治療では歯の頭の部分の歯冠部にある感染物を除去することがとても重要です。

そのためにはよく見える手術用顕微鏡(マイクロスコープ)を使用することは非常に有効です。

お口の中は暗くて狭いため特に根管治療は肉眼だとよく見ることが難しいです。

 

こちらは歯を補強してラバーダム防湿をした状態です。

この状態になって初めて根管内にアプローチを行います。

術前にCTで黄色で囲ってある根管が今回の腫れと痛みの原因の根管だと思われます。

そして、この根管は入口は2つあり根尖は1つに繋がっていると判断しました。

CTを術前に撮影して患者さんが来院するまでにCT画像などの術前の資料を元に治療計画、作戦を立てます。

いきなり治療の場合は作戦も準備もなく行き当たりばったりになり上手くいかない可能性があります。
 

ピンク色に見えるものは、根管充填材のガッタパーチャになります。

ガッタパーチャを除去していくと入口が2つとわかります。
 


進めていくと根尖が繋がっていることが分かります。
 

術前の診断通りに入口の根管口が2つで根尖が1つになっていました。

根尖から出血と排膿も確認できました。

CT撮影や治療前に準備ができるとスムーズに治療が進めます。

医療なのですべて想定通りにはいきません。

根管をキレイにしていくと根管内にクラック(ひび)が確認できました。
 

根管に沿って縦にクラックが入っています。

クラックは認められますが、歯根破折の用に歯がぷかぷか動くことはありません。

しかし、状態の良いはではありません。
 

根尖部は開いており出血が認められ、根管にクラックも入っている歯になります。

患者さんには治療によって完治は難しいとこも十分に説明し同意得ました。

次回、根管充填を行う予定です。

今回はここまでです。

今回の治療は自由診療になります。
 

■費用
 

根管治療来院回数:2回(約1ヶ月)   
費用:コア除去22,000円
根管治療132,000円
リスク・副作用:腫脹、疼痛、歯肉の違和感、歯根破折など
すべての歯が適応ではありません。
詳しくは担当歯科医師にご相談下さい。

今後も歯を残せるように精進していきます。

今後ともよろしくお願いします。

井上貴史
 
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